初夏を感じる青葉の季節到来です。
最近よく耳にするようになったスポーツクライミング。オリンピック種目になるくらいだから、もうちょっと詳しく知りたい。自分の体だけで壁をのぼるって、大変そう。登るルートは好きに選んでいいのかな?
そうですよね。なんとなく聞いたことはあるけど、詳しいやり方は全然わからない…。
この記事では、そんなあなたに、スポーツクライミングのルートはどう決めるのか、についてご紹介していきます。ぜひ参考になさってくださいね。
スポーツクライミングの種類は?
クライミングの中で、人工の壁をのぼる競技のことを、まとめてスポーツクライミングと呼びます。自然の岩を登るクライミングは、スポーツクライミングには入りません。
スポーツクライミングは、競技性をもたせて、スポーツ要素に重点をおいているのです。ルールもしっかりありますよ。
ボルダリング・リード・スピードの3種類
スポーツクライミングには、3つの種類があります
・ボルダリング
安全のためのロープをつけずに登ります。壁の高さは5m以下。制限時間内に複数のコースのゴールにいくつ到達したか!を競います。
・リード
「リード」と呼ばれるリードクライミング。安全のためのロープをつけ、15m以上の壁を登ります。競うのは、制限時間の中で、どのくらい登れるのか、その高さです。
・スピード
「スピード」と呼ばれるスピードクライミングは、まさにスピード、速さを競います。対戦相手と一緒に登り始め、早く登り切った方が勝ちです。
この3つ競技、それぞれ特徴がありますね。競うポイントも違うし、競技に合わせて壁の高さも違います。
どの競技も、登る前に、目の前の壁をまず観察します。
スタート地点からゴールのホールド(人工の手がかり)までのコースを、頭の中でシミュレーションして、手順を考え、挑みます。自分でルートを予想して登っていくのですね〜。
では、もう少し、詳しく見ていきましょう。
ルートはどう決めるの?
登るルートはどうやって決めるのでしょうのか。これをスポーツクライミングの中で、最も気軽に始められるボルダリングを例にして、ご紹介しますね。
ボルダリングは、事前に決められているスタートのホールドから、ゴールのホールドまでを登ります。
スタートのホールドを両手で持って、マット(床に敷かれたもの)から体を離した状態がスタート。そこからゴールのホールドまで登り、両手でつかんで、きちんと体をコントロールできる状態になった時が、ゴールです。
スタートからゴールまでのルートは「オブザベーション」をすることで、自分で決めていきます。
登るルートをシミュレーション
「オブザベーション」なんて、聞きなれない言葉ですね。「オブザベーション」は、迷わずに、できるだけ楽に登るためのシミュレーションです。登るコース(課題)をあらかじめ下見して、頭のなかでコースをシミュレーションしていきます。
スタートと、ゴールの位置を確認し、どんなルートで進むのかを、まず観察。そして登っていく手順を考えていくのです。身振り手振りを交えて、実際の体の動きや手順を想定していきます。
オブザベーションは、スタートから初めてゴールまでを考えるのが基本ですが、わからない時は、ゴールからスタートに逆にたどったり、わかるところから考えたりします。
しっかり観察して、トラップを見極めて、自分の体をどう使うかを予測しながらルートを決めていきます。
初心者でもできるの?
そんな判断、ちょっと初心者には難しい…そうですよね。でも心配ご無用。
登るためのコースは「課題」と呼ばれます。壁の種類やホールドによって課題の難易度(グレード)が違います。初心者が取り組むものから、初めて徐々にグレードを上げていくわけですね。
ジムなどでは、壁にいろいろな色のホールドやテープが貼ってあるのです。
これは、同じ色のホールドだけ、同じ色のテープがつけられたホールドだけを使って登るため。色によって課題の難易度が違っていて、自分のレベルに合わせて登ることが、できるようになっています。
まずは初心者レベルの色がついたホールドだけを使い、登っていけばいいわけですね。
オブザベージョンは重要
完登(かんとう)というのは、スタートからゴールまで落ちずに登ること。オブザベーションをした後、人のアドバイスや、事前の確認なしで、1回で完登することを「オンサイト」と言います。
「オンサイト」はクライミングで最も価値が高いとされているんです。
ボルダリングの競技会では、事前に課題を見見ることができません。決められた時間の中で直前にオブザベーションをして、いくつの課題を完登できるかを競います。自分の技術と体、そして頭脳を使った競技なのです。
体の動きとの差をなくす
オブザベーションでルートを確認する時には、壁のコースの様子だけではなく、自分の体の動きを知っている必要があるそう。
例えば、手を伸ばして届くと思ったホールドに、実際には届かなかったり…想像するだけでもありそうです。日常生活でもよくありますから。
これは、目測と実測の差があるから。この差を無くすようにトレーニングもするそうですよ。自分の体って、意外と思い通りに動かせていないんですね。
このように、考えた通りに体が動くようになるのが、ボルダリングなどスポーツクライミングの一つの面白さなのかもしれません。
まとめ
スポーツクライミングのルートは、どう決めているのか、見てきました。頭と体のバランスが大事そうでしたね。
クライミングで使われる専門用語、オブザベーションや完登なども、ちょっと覚えておくと、プチ自慢が出来ますよ。
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