来年2020年、東京オリンピック正式競技種目の「ボルダリング」。
最近、テレビでも色鮮やかな壁を登っている日本人選手の活躍をみますよね。
さて、「ボルダリング」という競技名の由来はご存じですか?
他のクライミング競技名は「スピードクライミング」や「リードクライミング」で、登るスポーツだな!と一発でわかりますよね。
一方、「ボルダリング」は競技名にクライミングがつきません。「なんでだろう~?」と思いますよね。
知らないままだと、もやもやしたまま応援することになりそうです。
この記事では、東京オリンピック正式競技「ボルダリング」の名前の由来についてご紹介します。
こちらを読んで、安心してさらに楽しくボルダリング観戦!
もしくは、ご自身でも実際に楽しんでみてくださいね。
ボーリングと関係があるの?
ボルダリングに似た身近な言葉に、「ボーリング」ってありますよね。皆様も一度は経験があるのではないでしょうか。
〇ウンドワン、などでできる、ボールを転がして10本のピンを倒すゲーム!
あれです。あれ。「ボルダリング」と関係がありそうですよね?
「でも、どうみても見た目が全然違う気が。」
「ボーリングはボールを使うけれど、ボルダリングでは、道具を使わず身一つ。」と気づきますよね。
一方で、「語源が一緒だったりして、実は共通の点があるのかな?」なんて思ったりもします。いやはや、どうなのでしょう?
ボーリングとボウリング
実は、ボールでピンを倒すお馴染みのスポーツは、「ボーリング」ではなく「ボウリング」です。「えっ?同じじゃないの?」と思われますよね?
私も混乱しましたので、ボーリングとボウリングの違いを簡単にまとめてみました。ボルダリングから少し脱線します。
「ボウリング」とは、正三角形に並べられた10本のピン(棒)をめがけてボールを転がして、倒れたピンの数で得点を競うスポーツです。
ラテン語で「泡」などを意味する「bowling」を語源とし、英語では「bowling ball」といいます。なるほど。
「ボーリング」とは、英語では、「boring」。地質調査や、石油・天然ガスなど天然資源の調査のため、細長い筒状の掘削機で地面に穴をあける作業のことです。
なるほど。学生時代に地理で勉強したかな。
うーん。残念ながら、両者、ボルダリングとはあまり関係がないようです。
「えー、じゃあ、ボルダリングの由来はいったいどこに?」と気になりますよね。
下記にまとめましたので、ご参考になさってくださいね。
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「ボルダリング」競技名の由来について
「ボルダリング」の語源は「Boulder」。
「Boulder」は英語で、「(丸い)大きな石、巨礫(きょれき)。(直径が)256mmを超える礫岩(れきがん)」という意味です。
山や川岸、海辺などへ行くと軽乗用車くらいからトラック大の石が、ごろごろと転がっていますよね?
あの、大きな石っころを自分の手足を使って登って楽しむスポーツが「ボルダリング(Bouldering)」です!
「なるほど~。でっかい石を登る遊びなのね!」
「こどもの頃、登ったり飛び降りたりして、楽しかったな~。」
「あれ?でもテレビで見るのは、室内でカラフルな出っ張りを登っているけど?」
そうなんです。もともと、自然にある大きな石を登るスポーツとして始まったボルダリングなのですが、少しずつクライミングジムができ、室内に大きな石をイメージした突起(ホールド)付の壁で楽しむようになりました。
今では、日本にも数多くのボルダリングジムがあり、皆様の近所にもあるのではないでしょうか?
週末や学校・会社帰りでも、ちょっとした時間で楽しめます。身体をつかって考えて、心身ともにリフレッシュできます。
また、道具は靴と手のすべり止めだけなので手軽に体験できることが、大人気の秘訣です。
ボルダリングのプチ歴史
それにしても、近所にある大きな石を登って楽しむことをスポーツにまで押し上げるって、なんだか凄くないですか?誰が始めたか気になりますよね?
私も気になりましたので、ボルダリングのプチ?歴史をまとめてみました。
1950年代にアメリカでジョン・ギルという数学者が「ボルダリング」を確立したと言われています。
それまで、ヨーロッパやアメリカで人気があったクライミングは、フリークライミング(=ロープで安全確保して岩壁を登る)やアルパインクライミング(ヒマラヤやアラスカなど険しい登山中の岩壁を登り山頂へ到達する)。もちろん現在も人気健在です。
当時は、より高く、大きな岩壁や山の困難なルートへの挑戦が素晴らしい!と思われていた時代。
とくにアメリカのフリークライミングの聖地、ヨセミテでは、難しい岩壁をフリークライミングで登ることにしのぎを削っていたようです。
それに比べ、小さな石っころを登ることは、余興やちょっとした体の使い方の訓練といった位置づけでした。
ギル氏の自宅の周りにフリークライミングができそうな大きな岩壁もなく、また挑戦できそうな険しい山々もなかったのですね。
はじめはフリークライミングもしていたものの、身近にある大きな石に集中して取り組めるルート課題を見つけ、登る楽しみを見出してからは、ボルダリングに傾倒していったようです。
他のクライマーからは、ギル氏がフリークライミングを登らないのは残念だ!石っころを登って意味があるのか!と揶揄したに違いありません。
数学者であり、また身体の使い方を大学で学んだことが大きく影響したのでしょうか。
目の前にある大きな石に難解な課題をつくり、どう解くかを考え、必要と思われる動きを実現するために身体を鍛える。
落ちたらケガする!といった恐怖を乗り越えるため、精神統一をし、1登1登、解けるまで何回も挑戦する。
ストイックですね。修行ですね。
このようなギル氏の努力と精神性が、ボルダリングをスポーツとして確立させました。
うん、とりあえず身近で楽しい!ところは、古今東西、変わっていませんね。
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まとめ
「ボーリング」ではなく「ボウリング」でもない「ボルダリング」の名前の由来は、「大きな石=Boulder」。
自分の手足身体を使って登って楽しむスポーツです。
すっきりしましたでしょうか?
機会がありましたら、ボルダリングを応援したり、ご自身で挑戦してみましょう!
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