今、最も注目が集まっているスポーツ、それはスポーツクライミングです。
しかし、スポーツクライミングってまだまだ身近とは言いにくいスポーツですよね?
実際にボルダリングを趣味にしている私でも、そう思います。
ジムの壁にはもっと沢山のホールドがついていますし、時間は気にせずに課題に向き合うだけですし…
そうなんです、いざスポーツとか競技とかってなると分かりにくいですよね。
「オリンピックでは色んな種目が出来なきゃダメなのかな」とか、「オールマイティな選手っているのかな」とか…そんな疑問は出てきますよね。
今回はそんなあなたの為に少しでもスポーツクライミングを楽しんでいただけるように、ちょっと気になる疑問にお答えします。
スポーツクライミングの種類
クライミングも陸上の短距離、長距離や水泳の自由形、バタフライなどのように、様々な高さの壁のクライミング、全く何もつけずに登るクライミング、観ていて色々種類がありそうですよね。
国際クライミング連盟が認定する公式の協議会で行われているのは、以下の3つの種目です。
- リード種目
- ボルダリング種目
- スピード種目
そして、オリンピックではこの3種目を複合した「コンバインド」という新しい形の競技が採用になりました。
コンバインドは先にお話しました、3種目を1人の選手が全てこなすハードな競技です。
真のクライミングに必要なすべての要素を、1度に試される種目なんですね。
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それぞれの種目に必要な要素とは?
2020年のオリンピックで採用されたコンバインド種目は、どのような力が必要なのでしょうか。
3種目ともに、一見似たようなホールドが付いた壁をそれぞれ登っているようにしか見えないですよね。
何がその課題を難しくしているのか、それが確かに分かりにくい。
ボルダリングジムの課題も、人が登っているのを見ていると登れそうなのです…でも力不足で登れない…悔しい…
…失礼しました、話が反れましたね。
誰よりも早く!スピードクライミング
3種目の中でも一番分かりやすいのは、スピード種目でしょうか。
この種目は他の2種目とは違い、課題は周知されていて、単純に登る速さを競っているんです。コンマ何秒を競っています。
陸上と同じなので、「よーいドン」でやり直しができないという点も他の2種目との違いです。その為、集中力や瞬発力、高いパワーが必要となります。
一番お馴染み!ボルダリング
ボルダリング種目は、完登できた課題の数を競っています。
その課題の難易度が、他の2種目とは大きく違うところですね。その為、落ちても何回でもトライ出来ます。
スタートとゴールのホールドが決まっていて、使うホールドの数も限られているので、パワーや体の動かし方、バランスのとり方にその難しさがあります。
ホールドの持ちにくさもあるので、そのホールドを保持する力も関係します。
意外と見ていて難しさがよくわからないのが、ボルダリングかもしれませんね。
とにかく高いところまで!リードクライミング
最後にリード種目ですが、この種目は登れた高さを競います。
トライは1回切りなので、その点はスピード種目と同じですが、課題は初見なのでその点はボルダリングと同じです。
そして他の2種目よりも長い距離を登り、さらに課題の途中の支点に自分でロープをかけながら登るので、勝敗をわける一番重要な要素は持久力です。
パワーや体の動かし方のペース配分も、とても重要です。
実際、私もトップロープ(注1)でリードの壁を登ったことがあるのですが、本当にキツイです…「まだ終わらない、まだ終わらない」と1つの課題を終えたところで、腕がすぐパンプアップしてしまいました。
(注1:到達点に支点を作るので、クライマーはひたすら壁を登るだけのクライミングスタイル。リードクライミング初心者向け。)
いかがでしょうか。
それぞれの種目を知ると、それぞれ同じような要素があり、良いバランスでクライミングに必要な要素を構成していると思いませんか?
ちなみにジムの先生曰く、ボルダリングもリードも両方バランスよくやるのが、クライミング上達の秘訣だそうです。
コンバインド種目に強い選手っているの?
そう、そしてこのコンバインド種目では3種目の順位を掛け算した複合ポイントで決まり、そのポイント数が小さいほど上位になります。
(例:3種目ともに3位の選手のポイントは3×3×3の27ポイント)
つまり、3種目を平均してある程度出来る選手より、1種目でずば抜けて良い成績を出せる選手が評価される採点方式なのですね。
世界選手権やワールドカップの結果を見ると、実は3種目ともに1位になるような選手っていないのです。
さらに日本選手での話をすると、特にスピード種目単独で世界上位にくる選手っていないんですね。
日本選手の強みは何といってもボルダリングなのですが、クライミングの歴史がより長く体型も有利なヨーロッパの強豪国では、リードが得意な選手が多いようです。
2019年の世界選手権の日本選手の結果を見ても、リード種目では男女ともに上位10位中2名、ボルダリング種目では男子が上位10位中5名、女子が4名という結果でした。
ですが、やはり強みが評価されるのがコンバインドの良いところです。
前述した世界選手権では男子コンバインドにて日本の楢﨑智亜選手が見事優勝したほか、4位原田海選手、5位楢﨑明智選手、6位藤井快選手、また、女子コンバインドでは2位に野口啓代選手、5位野中生萌選手、6位森秋彩選手、7位伊藤ふたば選手の男女それぞれに上位10位に4名も入賞しています。すごいですよね。
これは、オリンピックへの期待も高まりますね。
▼男子優勝の楢崎智亜選手
▼女子2位の野口啓代選手
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まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事が少しでもあなたの疑問を解消してくれたら嬉しいです。
是非この記事を参考に、クライミング観戦を楽しんでくださいね。
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